Nackyのコラム Vol.5 俺達のホームページ
広告代理店勤務、ロックミュージシャン(Blue Color Union)、ベイタウン中年バンドのメンバー、2輪ライダー、数々の肩書きを持つNackyのセンスあるコラムを掲載。



四丁目の朝日

一体、日本はどうしちゃったのか?

「ALLWAYS 続・三丁目の夕日」っつー映画が大人気らしい。つか大ヒットしてるらしい。へぇー。昭和30年代の、誰もが頑張って暮らしてた、旧き良き時代の感動物語なんだと。ふーん。こないだ、テレビで「続」じゃないほうの三丁目の夕日やってたから観てみたけど、「ホラ、ここで泣け」「ホラ、次はここで感動しろ」みたいなストーリーとシーンの連続で、なんだか演出過多で自分には全然響かなかったぞ。逆に作為的過ぎてイライラしてきたもんで、思わず途中でチャンネルを替えてしまったぞ。小雪だか小雨だかの、モデルあがりの女優の演技はド下手で見てらんないし。

「旧き良き時代」「懐古」「夕日」の組合せって、なんか狙い過ぎてないか?ふた昔前ぐらいに流行った「子供」「小動物」の組合せみたいに。そりゃ泣くだろうし感動だってするだろうけど、こんな安易でいいんかなー。何だかなー。自分だって年を食ったし、過去を懐かしむことだってよくあるさ。昔の音楽聴いたり、旧い楽器使ったり、旧いクルマやバイク買って乗ってたさ。昭和時代演出なモノに、思わず萌えてしまうことだってあるさ。でも、自分の幼少時代なんて、単なるアホガキだったし、周囲で起きてることなんて成長過程での当然の出来事でしかなかったし、別にあの時代に帰りたくもないけどね。それに実際のあの時代って、工場のばい煙や汚水はタレ流し放題で変な公害病は流行るし、朝鮮学校への嫌がらせや同和問題での誹謗中傷や差別なんてそこらじゅうで起きてて、ドロドロした暗い面のほうが大きかったんだぞ。今の自分はどっちかっつーと、懐古して郷愁に浸る時間より、もの凄いスピードで年食ってくことへの不安にかられる時間のほうが多いけど。

最近の邦画って、何だか病気みたいにやたらめったら「感動できますよ」とか「泣けますよ」とかの大安売りで、一体どうしちゃったの?日本人って、自分の生活の中に、そんなにお金出して他人から与えられなきゃなんないほど、感動が無いの?つーか、いつでもどこでもコンビニで弁当買えるみたいに、気軽に感動を金で買うんだ?こないだ日記に書いたみたいな凶暴な運転する奴も、税金ムダ使いする役人や政治家も、怪しげなIT事業で能力以上の大金稼いでるヒルズ族も、病院でイキナリ人を打ち殺すようなヤクザも、法外な契約金とって偉そうな態度するタレントも、みんな金払ってでも感動はしたいんだ?やな国になったね日本って。全国民ロマンびたりでノスタルジーびたりの今日この頃。だいたい、あの続・三丁目の夕日って映画だって、めちゃくちゃプロモーションに金かけて、露出しまくって、色んな企業とタイアップしまくって、情報操作されヒットが約束された映画なんだぞ。特定のテレビ局までバックアップして「これ見なきゃ話題に遅れますよ、日本人としてヘンですよ」ぐらいのイキオイで、俺みたいな生粋の天の邪鬼にとっては、死んでも見るもんかい、となるから逆効果だぞオイ。広告を創ることが生業の自分としては、社会のプロモーションサイクルに組込まれてしまうようで、何となくイヤだ。できれば感動は自分で産み出すか探したい。

実を言えば、懐古や夕日のシチュエーションは大好物なんである。焦燥したり、あくせくもがいたり、何となく物悲しかったり、そんな気分と夕日ってば、オニギリとお茶ぐらいの最強タッグなのである。だからって、偉そうなブンカ人の方々やゲーノー人様の方々が「続・三丁目見ましたよ〜。アレは素晴らしいですよ〜泣いちゃいましたよ〜。」なーんて宣伝半分でのたまっていらっしゃるお姿には、絶対に騙されんぞ。ご自分の幼少と映画の中の夕日を重ねてお手軽に感動できるぐらいなら、日常で起こる本当に感動する出来事には鈍感になってしまうぞ。まあ別にいいけど。

三丁目の夕日を見て、リアルに感動された方がいらっしゃったら、本当にすいません。卑屈な幼少期を過ごしたかわいそうなオッサンのたわ言と思って、軽く笑い飛ばしてやってください。何だかんだ言って、CGや画像処理の面でも、決して悪い映画じゃないとは思います…。

Nacky
2007年11月9日


自己紹介
【F1スペシャリストから女性下着博士へ(笑)】

趣味は“バンドとバイク”という、昭和の不良高校生のようなパンクなジジィです。休日はバイクor自転車に乗るかイジるか、野外ライブをするしか過ごし方を知りません。よって、雨の休日は廃人です。

とにかく2つの車輪しかない不安定な乗り物が大好き。モーターサイクルやMTBでムチャ走りをしての生キズが絶えません。また、ギターやベース、ピアノなどの楽器を与えると制止されるまで弾き続け、自作のヘンテコな曲をその場で作りながら歌い続けます(本職はベース)。ジジィはジジィでも、“スーパージジィ”を目指して日夜努力中。若い女性からはイマいちモテないが、オバちゃんやガキんちょ、オカマに対してはいつも爆発的なパワーを発揮します。家庭や仲間うちでの呼び名は「人間に最も近いサル」。

自分のバンドのサイト↓です。
http://www.cyworld.jp/bluecolorunion
「サルは一体どんな音楽を創るんだ?」とご興味のある奇特な方、楽曲の試聴やダウンロードもできますので、是非覗いてみてください。アマチュアミュージシャンの方、コラボも大歓迎!アレンジもいたします。

こちら↓は自己紹介がわりです。アホ丸出しですが(笑)。
http://www.e-enesta.com/ore/flash15/fno282.htm

仕事では長年関わっていたHonda F1の仕事を辞し、イタリア車の広告制作を経て、現在は港区にある某広告代理店のクリエイティブディレクターとして、テレビCMやら広告やらを作っています。なんだか偉そうに聞こえるが、要は宣伝を作る上での何でも屋さんです。元来クルマ/バイク/レースのスペシャリストですが、今はなぜか女性下着のスペシャリスト。ご面倒な広告制作の仕事、よろずお引き受けいたしますのでご指名ください。

I'm OK, even if you give me a message in English,
and I'll certainly reply to you!
Thanx for your coming.

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