「俺たち2」管理人による戯言
日記でもない、コラムでもない、単なる戯言。そんな感じ。
筆者は幕張ベイタウン在住のおやじ。結構、歳いってます。はい。
しばざ記
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武士の一分
12月30日 テレビ朝日(地上波)に早くも登場!

藤沢周平の原作、山田洋次監督と聞いて、すぐに浮かんでくるのは「たそがれ清兵衛」だ。真田広之がかっこいいし、宮沢りえが可愛い。ストーリーも大好きだ。さすがアカデミー賞外国部門賞の候補にノミネートされただけある。今夜は、そのシリーズ(三部作)の最後、あのキムタクが主人公の「武士の一分」である。できれば劇場で見たかった。三部作のどの作品でも、景色が美しく描写されている。我が家の小さい画面では迫力に欠ける。

このシリーズの共通点といえば、主人公が幕末の頃の下級武士という設定。今までのいわゆる侍という概念ではなく、サラリーマン社会を描いている。決闘シーンがあり、恋愛があり、と、まあ似たような感じだ。しかし、「たそがれ清兵衛」や「隠し剣・鬼の爪」に比べると、「武士の一分」はちょっと異質な感じがする。前二作の決闘の意味合いが違うからだ。「武士の一分」は、妻を弄ばれたことへの復習。

私の知人でライターのSR氏の、ご自身が運営し投稿する、ブログのようなサイト(HP)に、「武士の一分」の書評が掲載されていた。そこに彼は、「壇れい子」の艶っぽさを大いに語っていた。あまり性的な描写をしない山田洋次監督なのに、その壇れい子演じる加世が密会の後の汗ばみ、髪が少し乱れた感じに、監督が本来持っているだろう強烈なエロチシズムを表現しているのだと、SR氏は書いている。そういう着眼点は私も同様。

物語は、一応ハッピーエンド。盲目というハンデがあるにも関わらず、キムタク演じる新之丞は無傷。だが、おそらく加世は、新之丞に腕を切られ自害した島田藤弥の子を宿すであろうとそのHPには書いてあった。三度も弄ばれたとあり、そうなると、懐妊の可能性は非常に高い筈だとSR氏は言う。そのほうが現実性が高い。ただ、そこまで行ってしまうと収集がつかなくなるし、あまりにも悲しすぎるので、うまくまとめたのだろう。本当は皆さんにSR氏のHPを参照して頂きたいのが、非常にプライベートだという理由で、そっとしておいてほしいと言われた。残念ながら、お教えできない。

私の感想。その三部作のどの作品もヒロインが可愛いし、悲しいまでのけなげさがいい。でも、やはり私の好みの問題だけど、宮沢りえが一番いいね。それと、「たそがれ・・・」のエンディングで、清兵衛が戊辰戦争で戦死したとあったが、そのナレーションが一番ジーンときた。決闘シーンも「たそがれ・・・」が一番リアリティがあったような気がした。

それにしても、「武士の一分」っていったい何なのか、実は映画を観終わった後も分からないのである。妻を寝取られ、その復讐が一分なのか。その辺りの、つまり女性の貞操に関するところというのが、そうなのか。一見、大義名分であるようにも思うけれど、それでいいのか、という気もする。しかし、そうは言っても、男にとってはそういうことを気にするなっていえば嘘になるし・・・。


2007/12/31
しばざ記 380

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