「俺たち2」管理人による戯言
しばざ記(最新インデックス) しばざ記(INDEX-06)   俺たちのHP(パート2)

思い出のさば缶
白菜と一緒に煮込むとうまいんだよ〜。これが。

 
そういえば、さば缶って、数十年前からあまり値段が上がってないような気がするね。
 
食べ物シリーズってわけじゃないけど、続いたついでに、もういっちょ。
さば缶って、子どもの頃、大嫌いな部類にあった。食べられないわけではない。でも、どこにそのうまさがあるのか分からなかった。そういう意味ではナスや塩辛、豆腐などもその類。不思議なことに子どもの時に嫌いだったものが大人になってから非常に好物になっている。

さて、さば缶は我が家にいつも常備してある。何かの時のさっとおかずになるからという意味だ。だが、実際に食卓に出るのは殆ど無い。妻が缶詰をあまり好まないというのが最大の原因だ。ごく稀に、朝食のおかずが少ないときなどに登場する。1年に2回くらいだろうか。

さば缶と、若干の醤油、そしてアツアツのご飯。これだけで、がつがついけてしまう。辛子明太子も同様。今思い出したけれど、子どもの頃食べていた丸美屋の「すきやきふりかけ」も知らないうちに何杯でもおかわりしてしまう凄いものだった。缶詰だったら、「さんまの蒲焼」もご飯が進む代表格だろう。

話をまたさば缶に戻す。考えてみれば最近食べてない。そろそろ食べてみたいものだ。時々ふっとさば缶を食べたくなる。ベイタウンで、さば缶をこれだけ食べたがっているのは私だけだろうか。上品な味とは言えないけれど、クセになるから、皆さんも食べてほしい。酒のつまみにも最高だ。

また思い出話で恐縮。20歳だか、21歳の頃、渋谷でバイトしていた。えらい借金をしてて、昼夜働いていたことが僅かながらある。本当はいけないことなのだが、そのバイトとバイトの合間に井の頭線のガード近くの立ち飲み屋でさば缶を肴にきゅーっとやっていた。仕事で追われながらも体力だけはあって、そしてバイト仲間にも恵まれて、めちゃくちゃ楽しかった。

そのバイト時代に覚えた鍋。大きな鍋に、白菜を大量に茹でる。そこにさば缶をまるごと入れる。醤油で味を調えて、出来上がり。仲間で、その鍋を囲んで酒盛りをする。白菜の甘みと、さば缶のいい感じの出汁が効いていてかなりうまい。酒は2級。そう、その頃は級数があったのだ。でも上品な特級や1級よりも2級のほうがコクがあってうまかった。もちろん負け惜しみもある。

あの頃のバイト仲間に会うことはすっかり無くなった。後年、仲間の一人を池尻大橋の辺りで見かけたことがある。あれは私が30歳くらいの頃だった。こちとらよれよれの背広にネクタイ姿、一方彼はやや遊び人風で、高級スーツでばりっとしていて、そして部下なのか、それとも子分なのか2人の若者を引き連れて歩いていた。

声を掛けようか迷う間もなく、彼は止まっていた高級外車(なんでも高級ってつい言っちゃいますね。)に乗り込み、すーっと行ってしまった。例のさば缶を一緒につついた仲間ではないけれど、自分のおいたちや将来のことや色々語った仲である。ヤクザになろうが、有名企業の社員になろうが、とにかく出世したんだな、ということを羨ましくも、そして嬉しくも思ったのである。

2007/8/29
しばざ記 284

▲このページの先頭へ


<<< 前の記事
次の記事 >>>
俺たちのホームページ パート2へ