「俺たち2」管理人による遠距離電車マガジン

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ゴッドファーザー再び


「ゴッドファーザー」を観る

「ゴッドファーザー」を観たのは何年ぶりだろうか。
少なくとも最後に観てから10年以上は経過しているはずだ。

改めて私がここであの映画のことを言っても、世の中にはちゃんと評論する人がたくさんいて、もうとっくに語り尽くされているので、恥ずかしくて多くを語れないのだが、勇気を振り絞って、ありきたりの言葉で敢えて言うならば、本当にいい映画だ。(そして、越後屋さん、有難うございました。←DVDをお借りしました。)

「ゴッドファーザー」は全3部作で、一番最初に公開されたのは70年代。「政界のドン」とか、「ゴッドねえちゃん」(和田アキ子)などの用例がある、「ドン」だの「ゴット」だの単語をポピュラーにしたのは、ほかでもない「ゴッドファーザー」のお陰である。

また、アンディ・ウィリアムスが「ゴッドファーザー」のテーマ曲を歌ってヒットした。アンディは、カルピスのCMにも出ていた。あの映画がもたらした文化というか、影響ってのは、かなりのものだ。それまで東映の「やくざ映画」しか知らないかった大多数の日本人に、「マフィア」の存在を改めて教えてくれた。(それまで、禁酒法の時代にマフィアが暗躍した云々の知識こそあれ、あまり良く分かってなかったと思う。)

ただ、日本の「やくざ映画」にしても、「ゴッドファザー」にしても、異常な世界に身を置く主人公が「愛する者を失う」というところが共通していて、いずれも主人公は不幸なのだ。だから悲しい映画なんだけど、血で血を洗う凄まじい抗争のシーンでは血が騒いでしまう。かつて、やくざ映画を観て、映画館から出てくると健さん(高倉健)になっている、って奴だ。

不思議なもんだ。日本のやくざ映画でいうところの鉄砲玉って奴が、ゴッドファーザーにも必ず登場してくる。ゴッドファーザーの為なら自分の命を捧げる。復習のとき、自らの命と引き換えにタマを取る。タマって言っても、キン○マのことではない。即ち相手のキーマンの命を奪ってしまう、ってことだ。

さて、先日、ゴッドファーザーこと、ドン・コルレオーネの役をやったマーロンブランドが亡くなった。私が言うまでもなく偉大な役者さんだった。「ゴッドファーザー」全編に渡って一番登場するのはアルパチーノであり、彼が主役なのだが、存在感は圧倒的にマーロンブランドである。アルパチーノが晩年のマイケル・コルリオーネを演じても、あのマーロンブランドの威厳というか雰囲気は出せない。アルパチーノも嫌いじゃないけど、やはりマーロンブランドには適わない。アルパチーノはその後もマフィアものや、アクションものに数多く出演しているが、ゴッドファーザーの主役をやったことは大きい。

また、ロバート・デニーロも素晴らしい。あの役者さんは、役作りで、毛を抜いたり、太ったり、痩せたり、歯を抜いたり、などと凄い人なのだが、ゴッドファーザーでも若い頃のビト・コルリオーネを巧みに演じていた。最初観たときは、有り得ないのだが、マーロンブランドの若い頃の映画からうまく流用したのかと思ったくらいデニーロがマーロンブランドになっていた。ロバート・デニーロはパート2のみに出演する。コルレオーネ家のルーツという重要な役割だ。

とにかく、この3部作は是非観たほうがいい。昭和の(とは言わないか)、大作であることに間違いない。まだご覧になっていない方はDVDボックスでお買い求め頂くのがいい。実は私も買うつもりだった。越後屋さんが貸してくれることになったので、買わずに済み、まんまと得してしまったが、また観たくなったら今度は買ってしまおう。

2004/7/13

しばざ記 Vol.78


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