第1話 「野球」   ■第2話 「お化け煙突」

このファイルには上記の2つのコラムが収録してあります。
栄えある「俺達のコラム」の第1話を飾ってくれたのは、watchさんです。

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1話 「野球」
著者:watch (2000_09_21)

ところで、皆さんは野球好きですか?どこのファンですか?
色々な地方の出身の方がおられるので、これも面白いですかね?
ちなみに、私一応、巨人ファンです、けど余り野球は観ませんが。

少し、想い出話でも・・・
私の出身地は東京都文京区です、後楽園のお膝元!
巨人ファンにならない方がおかしいのです!
それとは別に、「東京オリオンズ」(今のロッテですね)の今は無き「光の球場」こと
「東京球場」も千住で近かったのです。内野に芝が張ってありとても美しいグランドでした。
後楽園はそう簡単にチケットは取れません、ですから、
うちに出入りしていた酒屋の兄ちゃんに良く連れていってもらったものです。
ホットドッグを頬ばりながら、観客の少ない球場でのんびりと
有藤やアルトマンのホームランに胸躍らせて、木樽投手の好投に声援を送ったのもです。
監督がカネヤンの時優勝して、日本シリーズを戦うこととなり、
第7戦のチケットを上野赤札堂のチケットビューローで手に入れました。
しかし、最終戦までに勝負は決まってしまい、結局観戦する事は夢に終わりました。
少年時代は、学校から帰るとランドセルを置いてすぐ、近くの空き地に
野球をしに行く、わんぱくな鼻垂れ小僧でした。

今の野球とその頃の野球を比較しても、余り意味がないと思いますが、
やはり、ONを代表する、名勝負が少なくなった気がします。
長島と村山、王と江夏のようなワクワクする勝負が・・・

そうか?結局、ワクワクする心がオヤジになってしまったのか?





第2話 「お化け煙突」
著者:柴崎@17 (2000_09_21)

東京球場には、父に連れられて行ったことが、記憶の片隅に、ちょこっとあります。おそらく、まだ小学校に入る前だったと思います。あるいは、小学校1年生だったか。

千住には、当時、叔父が住んでいました。田舎から出て、メリヤス工場を作り、まあなんとか暮らしていたみたいです。工場といっても、木造平屋の民家を改造した住居を兼ねたものですし、小さな工場と民家が交互に並んだ狭い路地に面しているので、何の商売をやっているのか、近所の人間も分からなかっただろうと思います。田舎で育った私は、人間が密集したこの地が好きで、叔父の家に行くと、探検気分で、あたりをうろついたり、墨田川あたりまで、足を延ばして、見慣れない風景を楽しんでいました。ところで、千住には、「お化け煙突」があり、ちょっとした観光の目玉でした。なぜお化け煙突かというと、本来は4本ある煙突が、見る角度で1本に見えたり、2本に見えたり、あるいは3本に見えたりするのです。これは、不思議です。当時、なぜそんなことになるのか、幼い頭では理解不能でした。遠くから見ると、1列に4本並んでいるようにしか見えません。しかし、後で分かったのですが、微妙に菱形に並んでいたのです。

西新井大橋からのお化け煙突。
Wikipedeaより
今の子どもは、お化けなんて聞いても、ちっとも恐がらないようですが、昼と夜がきっちりとしていたあの頃、夜の闇の中には、そこら中にお化けが徘徊しているようで、非常に恐かったものです。ひとつには、子どもの躾に、必ずといっていいほど、「お化けが出るぞ」という常套句が使われていたのも原因ではないでしょうか。ですから、「明日、俺(叔父)は、休みだから、みんなでお化け煙突でも見に行かないか。」そんなことを唐突に言われだけで、背筋がぞっとしました。

夜中に煙突から、得体の知れない怪物みたいなものが出てきて人間を食うというイメージを勝手に組み立て、お化け煙突はますます畏怖の対象になったのです。叔父の家は昼間、活気に溢れるところなのですが、夜になると、墨田川から風に乗ってくる化学臭と、どこかの変電設備のブーンという音、そして、お化け煙突から這い出てくる魑魅魍魎たちの幻想で、泊まる気がしませんでした。

ところで、お化け煙突をご存知の方って、どのくらいいるのでしょう。
実は、私も、本当に肉眼で見たのか、それとも後にテレビ等の映像で見たのか、定かではありません。
お化け煙突が壊されたのが、物心がつくか、つかないかの境目(昭和39年)なので、本当は見なかったのかもしれません。ですが、前述の通り、強烈な印象を持ってましたから、暫くは、忘れませんでした。

それから、かなり歳月が経ち、生意気に酒も煙草もいっちょ前にやるような年齢になってから、レコード店で、こいつに出会いました。いや、本当は別物なのですが、全身に衝撃が走るくらい感動しました。
ピンクフロイドのLP、「アニマルズ」のジャケットを手にした時でした。
「こ、これは、お化け煙突。」
ジャケットの絵柄は4本の大きな煙突です。
その右上あたりに、豚が飛んでいる。
まさに、煙突の中から怪物が出てきた瞬間。
同時に、かつて目にした、千住あたりの密集した民家や、軒先でメンコやベーゴマで遊ぶ子ども等、街角で物乞いする傷痍軍人のアコーディオンの音色、そして黒い煙を吐き出すお化け煙突の姿が、頭の中を駆け巡ったのです。

*おばけ煙突は、千住火力発電所の4本の煙突のことです。



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