「俺たち2」管理人による遠距離通勤マガジン


アラジンのストーブ
寒い冬はこれに限る!



アラジンのストーブを意識し始めたのは19歳の頃か。それまで実家の近くの不動産屋に置いてあるのを見て、ずいぶん古めかしい形のストーブだな、とくらいしか思わなかったのだが、当時つきあっていた女性が「私ねえ、アラジンのストーブって好き。」というようなことを言ったもんだから、急にそれが良く見えてしまった。

まだ石油ファンヒーターなんてポピュラーな頃じゃなかったし、四畳半にも満たない汚い下宿にはガスストーブだって似合わない。けれど、3000円くらいの、電熱線を熱するタイプの安い電気ストーブや、コタツで暖をとっていた私はとにかくアラジンのストーブが欲しくなった。

それから何年か経ち、少しは生活も安定してきたある日、その頃住んでいた下北沢界隈ディスカウントショップ(たしかイサミヤという名前だったかな?)でアラジンのストーブを見つけた。他の金網を熱するタイプのストーブに比べて異常に高いのだけど、思い切って買ってしまった。たぶん、普通の石油ストーブの2倍くらいはしたと思う。

しかし、買ったのは正解。見ていても飽きないでざいん。もちろん暖かいし、便利。天板の上に鍋をかけて、酒のつまみにできたし、冬のインスタントコーヒーのお湯は全てこれで沸かした。その昔、西田敏行主演のドラマ「池中玄太」だったか、あるいは石立鉄也だったの主演ドラマで、よくストーブをつけてお湯を沸かしているシーンがあって、そのイメージにダブったりした。

6畳一間の部屋には十分過ぎるほどの暖房器具だった。このストーブを燃やし、部屋の明かりを消してレッド・ツッペリンやらMJQなど(趣味がバラバラだ。(笑)を聴いて、安いウィスキーでちびちびやれば、最高にハッピーだった。なんといっても、ブルーフレームという青い炎が美しい。

あれから?十年経って、再び押入れの中に大事に仕舞っていたアラジンを取り出した。正確に言うと、結婚して間もない頃もこれを使っていた。だから今回使うのは十数年ぶりになる。たまたま「俺達ガレージセール」にアラジンのストーブが出品された。私の所有するものとほぼ同年代のものである。

その方に触発され、それじゃ、ということなのだ。火をつける。十数年ぶりに灯る青い炎。懐かしい。驚いたことに、まったく支障なく素直にストーブとしての機能を果たしているではないか。旧友に久しぶりに会って、お互いの健康を分かち合っているように嬉しい。

さて、そういうわけで、昨日から私の部屋の暖房としてアラジンが復活したわけだ。今、アラジンのそばでこの文章を打っている。なんとも幸せ。BGMは何故かジェリー・クルーズ(ツイン・ピークスのテーマ)。

(2005/1/26)
しばざ記 Vol.104


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