ベイタウン唯一の科学研究機関
- 第18話 -   出演:ゲソ博士 聞き手:助手のザクソン


回転テレビの発明!

ザク:博士、今度は何の発明ですか?また、くらだらないものですか?
ゲソ:こらあ。くだらないとはなんだ。前回の発明(バーチャル・デート)はなかなか好評だった。モノグサになった現代人や遠距離恋愛を余儀なくされている男女にはすぐに使える優れものだ。今後どんどんニーズが高まるから、まあ、見ておれ。
ザク:はあ。あまりにも突拍子もないものでしたから。で、今回は?
ゲソ:これがまた凄い。なんと、寝ながらテレビが観られるのだ。
ザク:睡眠学習装置みたいですね。眠っていながら英語がぺらぺらになるとか?
ゲソ:あほっ!そういうインチキなものをこの私が発明すると思っているのか。寝るといっても、寝転がりながら、という意味だ。どあほ。
ザク:なーんだ、寝転がってテレビ観るのが凄いのですか?
ゲソ:ふむ。君は家でのんびりするときはどうしてる?
ザク:そりゃ、ソファでどよーんとしてるとか、そうですね、寝転がるときもあります。
ゲソ:そうそう、寝転がる。これは重要だ。人間工学に基づいた居心地の良い寝転がり装置もそのうち開発する予定だ。だがな、今回の発明はテレビ側の仕掛けだ。
ザク:わかった!テレビの画面が任意で回転するんでしょ!真横になるとか?
ゲソ:うむ。するどいね、君は。まあ、そんなところなんだが、それだけじゃない。こちらの体勢や眼の位置を感知して画面が勝手に反応する。つまりだ、最初、胡座をかいて観ている。そのうち疲れて、ごろんとなる。ディスプレイも一瞬にしてごろんと横になる。常に目の高さと同じ位置、左右の目に対して平行になるようにディスプレイが角度を変えたり、ディスプレイを支えている支柱が上下に伸縮するようになっている。
ザク:ややこしいですね。
ゲソ:ふふふふ。それだけで驚いていてはいけない。ディスプレイの下側を見ろ。
ザク:やや。こ、これは、キャタピラーがついているではないですか!
ゲソ:かっかっか。
ザク:まさか、これで自由に動きまわれるなんて、ヘンなこと言わないでくださいよ。
ゲソ:実はぴんぽんぴんぽん、なのだ。
ザク:やれやれ。
ゲソ:そう呆れるな。例えば、だ。ほれ、このように、体勢を変える。同じ向きに寝転がると、首だの、背中だのが痛くなるだろう。反対側にごろんとする。すると、ほれ、キャタピラーが動き出した。そしてあっと言う間に顔の前にディスプレイがやってくる。
ザク:ちょっとタイムラグがありますね。
ゲソ:まあな。リニアモーターカーを搭載しているわけではないからな。そのうちスピードアップの研究もしておこう。
ザク:博士。しかし私は、サングラスやアイマスクのように目の前でシアターなどを観ることが出来る装置を知ってますが。
ゲソ:ああ、あれね。あんなもんは目を悪くするだけだ。私の発明はちゃんとテレビから3mは離れている。
ザク:なるほどね。しかしですね、博士。
ゲソ:なんだ。うるさいやつだな。
ザク:この研究はやめましょう。
ゲソ:なんで。

2004/4/6 うすらば研究所 Oretachi.jp

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ドクター・ゲソ
1957年生まれ。東京○○大学卒、三流企業に勤める傍ら、「科学やってみんべよー。」というコンセプトで独自に科学の研究を重ねる。2000年、自らを科学者と名乗り独立、くだらない発明などをするが、飽きちゃったので、現在執筆活動に専念する。ベイタウン在住。大の音楽ファンで、プログレロックが大好き。磯辺の「魚よし」では必ずゲソを注文する。

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