ベイタウン唯一の科学研究機関
- 第7話 -   出演:ゲソ博士 聞き手:助手のザクソン


今回も難しい問題
ザク:今回の研究テーマはまじで難しいですよ。「男女同権」、あるいは「男女平等」ということについて博士に語って頂きます。
ゲソ:なんか、嫌なテーマだな。私の過去の悪行の数々を披露しなきゃ許してもらえんような気がする。い、いや、悪いことはやってないのだがね、どうもこういうのは苦手なんだよ。
ザク:別に博士の女性遍歴を披露してほしい、というのじゃなく、まじめに研究してほしいのです。
ゲソ:難解だな。我々が語るにしてもだ、女性がいない場でマトモに議論できるものか怪しい。
ザク:そうですね。どうしても客観的にしか捉えられない。
ゲソ:どうしてもこのテーマをやらなあかんのけ?
ザク:じゃあ、男女雇用機会均等についてとか、具体的に絞り込んでもいいですよ。
ゲソ:余計にややこしくならんかね。私は、かつてのウーマンリブ、フェミニズムなどの流れから、現在のジェンダーフリーの思想まで体系づけて語らなあかんと思っているから、とてもじゃないが、ディスクキャパの少ない俺達HPでは用を足さないと思っている。しかし、なんでまたこういうテーマを持ってくるんや?
ザク:お、今日は博士、また一段と関西弁が多いですな。
ゲソ:そりゃまあ、その日の気分でな。そんなのどうでもいい!で、なんで?
ザク:はい。一種のリクエストでもありますし、だいぶ前になりますが、女性蔑視というタイトルで、俺達HPに投稿があったもんですから。それに、政治、経済、その他あらゆる場面に女性の活躍が目立って多くなっていますが、その一方で、上司から正当な評価を貰えない、セクハラを受けた、不当な業務しか与えられない、などなどの様々な問題があります。家庭においても同様で、働く女性が増えたことにより、果たして家事を女性だけがやるものなのかということもありますし、育児に対しての考え方、主婦というものへ考え方も十年前とは大きく変化してきています。また、夫からの暴力、離婚した後の自立など、それらを博士はいかにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
ゲソ:どう考えてるかって、あんた。そんなにたくさん答えられやしないさ。まあ、昨今の傾向としては、以前に比べて、企業内の重要なポジションに女性の進出が多くなったのは確かだな。それはそれで好ましい。男であろうが、女であろうが、正当な評価をしてやるべきだ。それは、いい。しかしだよ。女も甘えてはいないか?あんまり身体的なことをとやかく言うとネットセクハラになってしまうから慎むが、今まで男に有利な社会だったはいえ、職場においての女性の身体的な機能の部分に配慮していたはずだ。ところがだ、女性だということを都合のいい時にだけ巧みに利用しているやつが多い。例えばだ。今や女子の深夜就業がOKになり、残業代がばかばかつくなんて喜んでいたくせに、いざ、深夜残業になると、「女性だから早く帰れ。」と言われ、あるいは、当然だとばかりに、仕事を放ってそのまま帰ってしまうオナゴが実に多いと私は聞いてるぞ。嫌な仕事は男どもに任せ、自分は手を汚さない、リスクの少ない立場を好む。まるでキャバレーのホステスのように振る舞っていてそれで出世した女性の部課長もいるとか。いや、私はそれを悪いとは言わん。だがな、女性だから許される、ということに甘んじていて、かつ差別されているということを並列してとやかく言っているのは矛盾してるんじゃないかと思うわけだよ。
ザク:それは博士。「博士って、すてき〜。うっふん。」と甘えて博士からお小遣いを巻き上げる西船橋のキャバクラ嬢への恨みも入ってますね、その話の中には。あ、すみません。つい。
ゲソ:そうだ。彼女らは、身体的能力をことごとく商売に生かしている。それはそれでいい。騙されるほうが悪い。いや、気持ち良く騙されている。
ザク:本当ですか?しかし、ですよ、出世のことを言うなら、男だって、上司に対してのおべんちゃら使うのが常識でしょ?実力主義になってきたとはいえ、日本の企業はそれだけじゃ判断されない。
ゲソ:そこが悲しいところだな。処世術なんて、面倒なことは私は嫌いだ。だからサラリーマンはやってられない。
ザク:そういえば、博士も三流企業とはいえ、サラリーマンを体験したのですよね。
ゲソ:三流は余計だ。今のご時世、なにが一流でなにが三流なのか分からない。一流ったって、薄氷の上にいることが多い。むしろ万年三流のほうがある意味安定して強いのだ。いや、当研究所が三流とは言わない。一流まではいかなくとも、ニッチな分野では一流かもしれないな。こうやって、住宅街の中の一市民としか見えない私がだよ、インターネットで皆の幸せの為に日夜研究し続けているのだ。どう思うね、君は。

女性の社会環境は改善されたか
ザク:はいはい。そうですね。で、女性の立場のことなんですが、果たして、改善されてきたでしょうか。
ゲソ:十分ではないが、だいぶ良くなっているな。だが、長年続いた男社会との歪みがあちこちで露呈している。
ザク:それはどんなところに?
ゲソ:具体的な事例を上げるには紙面が足りない。自分で調べたまえ。ただなあ、女性がしっかりした考えを持つようになってきて、軟弱な男どもはどんどん追いやられている。女の自立により、結婚をしない女も増えている。従って、結婚できない男も多くなる。少子化が進むわけだ。一方で、古い男尊女卑の考え方は、意外にも少年漫画雑誌に脈脈と生きている。生活のパターンは我々の少年時代とはまったく異なるのに、性の捉え方は全然変わちゃいない。男どもは少年雑誌で理想的な女を学び、疑似体験するが、現実その逆なんだ。
ザク:私は電車の網棚の上に乗っている漫画をたまに手にしますが、確かにその中に登場する女性はルックスこそ斬新ですが、考え方は大和なでしこ的ですよね。しかも、少年漫画もかなり性描写が凄くなってきてる。自分のこどもには読ませたくないな、などと思ってしまいますよね。
ゲソ:あの類は男の妄想だ。ヘンな願望で満たされている。最も性差の激しい世界だな。
ザク:いつか自分の息子が見てしまうと思うと怖いですね。
ゲソ:そういう君だって、開花したのは遅いかもしれんが、中学校時代にはかなりハードなやつを見ていたんじゃないかね。うひひ。
ザク:うひひ、だなんてそんな。私は結構奥手でしたよ。高校の時まで一切そういうの知りませんでした。せいぜい、「奥様は18歳」の岡崎友紀のピンアップを持っていたくらいですかね。
ゲソ:可愛い奴だったわけだ。しかし、今のこどもは小学生でもかなりの知識がある。性の知識はきちんと学べば、早いにこしたことはないのだが、歪んだ知識となるとそうはゆかない。困ったもんだ。犯罪の低年齢化が進んでいると言われてるが、昔の不良とは明らかに異なっている。まさか、小学生が人殺しをするなんていう事件はかつて聞いたことがない。
ザク:いったい何が元凶なんでしょうね。
ゲソ:なんだろうな。世の中が悪いと一括りにしてもだ、あるいは、親が悪い、政治が悪い、教育が悪い、などと漠然とは言えたとしても、特定は出来ないな。それほど、病巣は拡大している。
ザク:話を元に戻しましょう。どうも犯罪のほうに話が及んできています。男女同権が犯罪を助長するように捉えられたくないので。
ゲソ:うむ。私もそういう方向には考えていない。ただ、男女同権の基本ラインとして、異性に対してきちんとした知識を持つことが重要だと思っている。最低でも、女性には優しくする、これを男がしっかりとやらな、あかんのだ。なぜ優しくするか、それは女性だからなんや。
ザク:なんとなく分かります。やはり、この話題は難しいですね。どうも、うすらば研究所の取り上げるテーマはびしっとした研究成果が出てない傾向にあると思うのですが。
ゲソ:ばかもん。当研究所がネットでオープンした時に言っただろ?考える。そう、各自で考えるのだ。私が答えを出してどうする?このページを読んでいる諸君が考え、考え抜くのだ。答えが出なくてもいいじゃないか。考えたことがきっと何かに役立つこともあるのだ。
ザク:失礼しました。おっしゃるとおりです。しかし、博士、それでも全国に10万人はいると思われる博士のファンはお考えを知りたがっているに違いありません。どうか素晴らしいお考えをご披露して頂けませんでしょうか。
ゲソ:しゃあないなあ。そこまで言われたら、私も男だ。ちょっと述べてみるか。
ザク:有難うございます。

ジェンダーフリーってったねえ・・・
ゲソ:しかしだ。「男女同権」と言ったところで、「権利」ってなんだね?なにをもってして権利が同じだとか、違うとか言えるのだ?分かりにくいかな?簡単に言えば、じゃあ、男の権利って何だ?酒が飲めることか?いや、違うだろ?女だって飲める。休日にゴルフに行けることか?それもどうも違う。男だから許される権利。家庭を省みず女遊びをする権利。こんなのも今や古い。女のほうがまだ遊びまくってるさ。つまりだ。確かに昔は男の特権というのはあった。しかし、今どうかな。男だから許される、というより、男だから、と言われて負わされている義務のほうが圧倒的に多くないか。権利は義務と裏返し。こんなの常識。しかし、権利と義務のバランスはそれこそ平等でなくてはならない。権利だけ主張して、義務がまったくないのはおかしい。今は絶対に女性の権利のほうが多くなってきている。どういう捉え方をするかによっても異なるがね。
ザク:時の女性大臣が土俵に上がらせないのは男女平等ではない、と怒ってましたね。
ゲソ:ふん。ばかばかしい話よ。女子更衣室に男を入れろと言ってるようなもんだ。男の世界、女の世界があって何が悪い。土俵に女が上がって、宝塚に男が入る。歌舞伎に女を入れるか?古き伝統、こまごました様式まで含めて芸術だとされているものをぶち壊すだけだ。ウエイトレスや、看護婦の呼称が女性蔑視か?ばかばかしい。そういうことを言ってるから、いつまで経っても本当の意味での男女同権が確立できないのだ。
ザク:本当の男女同権、っていったい?
ゲソ:そりゃ、あんた、きちんとお互いの性を尊重し合うことだよ。男にゃ、こどもを産めない。だったら男が働き、女が家を守る。妻は夫を慕いつつ、夫は妻をいたわり・・・。
ザク:それ浪速節の世界ですよ。そんなこと言うと、女性のファンを一気に失いますよ。
ゲソ:逆だ。最も新しい男女同権の姿がこれだと思うよ。歪んだ社会も改善される。さっきも言ったが、義務と権利が伴うのだ。男は女を守り、そして優しくする。女も同じだ。男を敵対視してもいいことはひとつもない。この世には2つの性しかないのだから、嫌いでも諦めろ。もちろん、男女を区別されたくないのだったら、それはそれで勝手だ。少なくとも、土俵に上がることを女性の地位向上だと勘違いしている奴らには私の崇高な考えが理解できるわけはない。
ザク:なるほど、分かりました。しかしですね。要約すると、博士はどちらかというと、ジェンダーフリーの思想に反対しているような気がするんですが。
ゲソ:ジェンダーフリーとはなんぞや。男らしさ、女らしさよりも人間らしさを求める主張なのだろ?能書きはさらっと聞き流せば悪いとは思わんが、ちょっとな。まあ、人それぞれだから、それを素晴らしいことだと思う奴がいるし、いや、絶対にヘンだ、と思う奴もいる。私はどちらかというと後者寄りかな。真っ向から否定はしないが、しかし、ヘンな思想だと思ってるよ。
ザク:先日の新聞に書いてあったんですが、ジェンダーフリーの思想が広まってくるのと、こどもが肉親を殺害したり、未成年の犯罪の増加がほぼ重なっているらしいのです。私も個の尊重は良いと思うのですが、なにか家族を卑下したり、学校が嫌になったりと副作用が出ているような気がしてならないのです。
ゲソ:確かにな。家族は国家の最小単位だ。国家なんてどうでもいい、などという若者も多いんじゃないかな。私のこども時分は、目には見えない恐ろしいものが必ずいて、何か悪いことをするとばちが当たるなどと本気に思っていた。それが犯罪の抑止力には必ずなっていたわけだな。国家が恐ろしいようでは困るが、親は尊重しなきゃならんし、国家も尊重しなきゃな。家族よりも個人だ、なんて抜かしてると、本当にどっかの国に侵略されてしまう。そしたら個性がどうのこうのなんて言ってる場合じゃないのにな。
ザク:なんかめちゃくちゃ政治の話になってしまいましたね。
ゲソ:そうか、いかん、いかん。このサイトでは政治に触れることはご法度なんだっけな。なんでだ?
ザク:無料ホームページだからですよ。スポンサー様の広告収益でなりたっているわけで。
ゲソ:無色透明じゃなくちゃいかんのだな。逆に言えば我々の崇高な議論でアクセス数が増えてスポンサーもいい思いをしているのにな。どうでもよいが。
ザク:はい、そういうことです。博士、ずいぶんと話が弾んでしまいましたが、そろそろ終わりにしましょう。
ゲソ:分かった。それじゃ、私は夜に備えてちょっくら昼寝するか。
ザク:有難うございました。
ゲソ:それだけかね。あっけないエンディングだな。
ザク:そうでしょうか。
ゲソ:それにだ。これだけ喋ったんだ。なんか、くれ。
ザク:なにか、とおっしゃっられても。
ゲソ:ギャラをそろそろ振り込んでくれてもいいんじゃないか?
ザク:残念でした。スポンサーがついてないから、お金はありません。
ゲソ:なにぃ〜??じゃあ、ただ働きか!?そりゃあかんっ!

2003/10/10 Oretachi's Home Page
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ドクター・ゲソ
1957年生まれ。東京○○大学卒、三流企業に勤める傍ら、「科学やってみんべよー。」というコンセプトで独自に科学の研究を重ねる。2000年、自らを科学者と名乗り独立、くだらない発明などをするが、飽きちゃったので、現在執筆活動に専念する。ベイタウン在住。大の音楽ファンで、プログレロックが大好き。磯辺の「魚よし」では必ずゲソを注文する。

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